GOT邸

この建物が建っている所は、東京とはいえお寺ばかりが立ち並んでいるとても静かな落ち着いた場所であるというのはよくある話であるが 特異な点といえば、「宙水」と言って道路面より2m下にきれいな水がふんだんに流れているというところであろう。もちろん近隣はこの水を井戸水として利用しているところが多い。そこでこのすばらしい「環境」を守るべく地下の底の位置はこの水位にあわせて決定しているところが いままでの設計とは異なった点である。もちろん施工も慎重にならざるを得なく工事費は余分にかかってしまったことは言うまでもないが、この建物には家族四人が住み、地下の容積緩和を利用しなければとても希望床面積が確保できないので 地下をあきらめるわけにはいかなかったのである。こうして地下の深さ制限、北側斜線、敷地内の一部にある近隣の生活通路は将来公道になることが想像されるので建物を作れない事、などの諸条件で外観形状は決まった。朝日から夕日まで一日中日が入る明るい家を望まれた施主のために最上階のLDKでは三方向から日が入るようにした。地下の寝室にもトップライトの光が階段室を通じて差し込むようになっている。室内に刻々と光のラインが動く様は とても魅力的である。現在 駐車場の上はパーゴラになっているが 将来バルコニーになってもいいように細工している。今回が完成ではなく ゆっくりと時代とともに完成していくというのが後藤邸のコンセプトだからである。


角地に建つ

ガレージの上は 将来大きなバルコニー
になるようパーゴラになっている。

キッチンとダイニング

キッチン側から居間を見る

光を通す階段室。
上部はトップライト

子供室の入口

洗面所