昔からご両親が所有していた敷地を、道路側を兄夫婦とご両親、残りの裏部分(旗竿敷地、袋小路)を今回の施主である妹夫婦用に分割することになった。当然奥側であるために条件は良好とはいえず、4方を周辺住居に囲まれた環境である。そこで都市型の典型である居間食堂を2階に持っていくことで日照を確保することが第一条件となった。またどこまでローコストで押さえられるかも重要な要因となりポーチ柱に下水道用コンクリート管を用いたり内部ではツーバイフォーの構造体を意識的に露出させることなどでコストを押さえながら意匠化をはかることも条件となった。平面的には普通の矩形であるが、これをあえて無視し軸線を南方向に向けることで必然的に生まれたずれの空間をむしろプラン上にいかしている。当然台形ができればそこに新たな新鮮な空間が生まれる。玄関前の長い庇はゲートの役目を果たし、囲まれた領域の密度を高め落ちついた空間が生まれている。右の庇柱には下水道のコンクリート管を使用。ローコストの工夫である。 |