OSI邸 |
地下1F地上2Fの二世帯住宅:車椅子でも快適なバリアフリーの住まい
ある会社主催の設計コンペで三社の設計事務所の中から選ばれた案である。世田谷区でもメジャーなS駅より徒歩3分、大邸宅が並ぶとてもすばらしい環境の中にある。老朽化した住宅の建て替えで、車椅子生活ながらお元気なお父様と若夫婦と二人(完成時には一人)のお子様の住まいである。
敷地が道路より2mほど高いので、見た目は一階だが地下室の扱いになるところが玄関と駐車場とお父様の部屋、その上部一階はLDK、二階は寝室や浴室が配置されている。お父様が車椅子使用ということもあり ホームエレベーターがある。地下は鉄筋コンクリート造、上部はツーバイフォー造である。二階上R階には 屋上がある。
条件は 車椅子生活に支障ないようなバリアフリーの家にしてほしいということ、とにかく敷地いっぱいに建ててほしいとのこと、西側が前面道路なので日除け対策をしてほしいということ、大型車二台の駐車場をつくることであった。
●外観のイメージ
前面道路が西側ということもあり、はじめからなんとか西日を遮るようにしてほしいという要望があった。たまたま敷地斜め方向の西日なので 意匠的なデザインを兼ねた縦ルーバーを設置し夏の強い日差しを防御することができた。またご主人は車が趣味で 二台の大型車を余裕で停められることを望んだため 敷地半分が駐車場兼玄関となった。高さの制限があり上下する普通のシャッターではシャッターボックスが取り付けられないので断念し、やむを得ず電動式の横スライドシャッターを採用。開くごとにシャッターが横方向にガレージの中に入っていく方式である。特注なので大変高額のものであるが、玄関の扉も同じデザインにしているため 大変興味深いファサード(立面)の表情になったと満足している。
●内部
玄関ホールは地下室なので 普通に作るとどうしても薄暗い。そこでなるべくトップライトを設けて明るい玄関とした。お父様の部屋は 地下室とはいえ南側が開けているのでなるべく光が射し込むようにした。1階LDKは天井高さを2.85mとしたためとても開放的で明るい。2階子供室は 自由にレイアウトがかえられるようにするため、部屋と部屋の間に可動間仕切りを採用。年とともに部屋の大きさを変更することができる。収納廊下や便所や洗面所はなるべく車椅子の使用のことを考え 余裕のある大きさにしている。 |

道路面右側は既存擁壁である。
これを活かさないと地下扱いにならなかった |

ガレージ兼玄関。自動でシャッターが横に開く。縦格子は西日よけである。 |

道路より玄関を望む。ガレージ内は地下であるが 格子シャッターなので明るい。 |

玄関内下駄箱収納。一部腰掛ける事ができる。上部トップライトより光が降り注ぎ 地下なのにとても明るい。 |

地下より1階に上がる階段。
奥にEVがある。 |

玄関収納を照明の一つとして考えた。 |

1階食堂。天井高さ2.85M |

食堂から居間を望む。全開サッシなので開くと外部と一体になる。 |

地下のお父様の個室。
洗面、便所などがオープンにすることで
車椅子でも利用しやすくなっている。 |

2階北側洗面所と浴室。
トップライトの光が入るのでとても明るい。 |
以下は最初のプレゼンテーション。
食堂に吹き抜けがあったが 必要部屋面積が確保できないので最終的には断念した。 |
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